ダルエスサラーム便り |
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Kusikia si kuona No.10![]() 相澤 俊昭(あいざわ としあき) タンザニア横断-ダルエスサラームからキゴマまで②-翌日は、タボラから早朝に出発するバスで今回の旅の目的地であるキゴマへと向かいました。まだ薄暗い早朝にバススタンドに行きましたが、どこからともなく両手一杯に荷物を抱えた乗客がぞくぞくと集まって来ます。その客を目当てにコーヒーやパンの売り子がバススタンドに集まっていて、ちょっとした賑わいがありました。こういったところでタンザニア人達に混じり、話をしながら朝食を取るのも旅の面白さのひとつです。バスが出発して町の郊外へ出ると、道路は相変わらずのデコボコの悪路が続いており、雨季ということもあってか、道路の両側は沼のようになっているところもありました。こんな道でも、荷物と乗客を満載にして、土煙をあげながら走るバスとすれ違うと、アフリカらしさを感じます。 キゴマまで着く途中、いくつか小さな町を通り過ぎますが、その中でも他の町に比べて大きいな町を通ります。ここに着くと白い袋を持った沢山の人たちがバスの周りに、ぞくぞく集まって来ます。初め、袋の中に何が入っているのか分からなかったので、隣に座っていた人に聞いてみると、『チュンビ(塩)だよ!』と教えてくれました。それを聞いて『あっ、ここがウビンザか!』と分かりました。ウビンザはキゴマ州の町で、ここで取れるウビンザ産の岩塩はとても品質が良いことで知られています。以前、お土産で頂いて、料理に使ったことがあるので、この塩の味の良さは知っていました。ミネラルが含まれており、とても美味しい塩です。ウビンザは山の谷間にある町で、郊外には大きな塩田が広がり、製塩工場もあります。一袋は1㎏程度で、Tsh500でした。見た目は普通の塩よりひとつひとつの粒が大きく、ザラザラしているような感じです。乾燥が十分されていないためか、ちょっと湿っぽいですが、使う前にフライパンで炙って、余分な水分を飛ばすといいとみたいです。 ![]() ウビンザの町の塩売り ![]() ウジジのマンゴー並木と町並み 翌日、職場に戻る友人と別れ、キゴマから車で20分程のところにある、ウジジという町に出かけました。このウジジの町はドイツ植民地時代にダルエスサラームから続くタンザニア鉄道の終着地点としてキゴマの町が作られる前まで、この地方の中心地でした。キゴマからウジジまでは、タンガニーカ湖沿いの道を通っていきますが、丘の上から見たタンガニーカ湖はまるで海のように青く、とても綺麗でした、実際、透明度も高いようで、かつてはここにダイビングショップがあり、潜りに来るお客さんもいたようです。(残念ながら、現在はダイビングショップは営業していません) ![]() リビングストン博物館(ウジジ) アラブ商人によってコンゴからタンガニーカ湖を越えて、ウジジまで連れられて来た奴隷や象牙は、ここでキャラバンを組んで、遥か東の海岸の町バガモヨとザンジバルへ運ばれていったそうです。ウジジの町から少し外れたところに、その昔、キャラバンが通った大きなマンゴーの木が植えられた通りが今も残っています。また、ここは新聞記者のスタンリーが、1871年に行方不明になっていた探検家のリビングストンを見つけた町としても知られており、それにまつわる写真や資料が展示されている博物館もあります。ガイドもおり、スタンリーとリビングストンが出会ったとされるマンゴーの木の下で、二人が出会った時の様子を解説してくれます。小さな博物館で展示品はそれほど多くはないですが、その当時の町の様子や歴史を知る上では、一見の価値はありそうです。また町中を歩いてみましたが、町中の道路沿いには歴史を感じさせるような古い家が並んでいましたが、それ以外は、さほど活気は感じられない静かな町という印象でした。その当時は、たくさんの人々がおり、賑わっていたのでしょう。 ![]() タンガニーカ湖の夕日 ダルエスサラームへと戻る最後の夜は、タンガニーカ湖畔のホテルに泊まりましたが、そこから見る、コンゴの熱帯雨林へ沈んで行く夕日はとても綺麗でした。 (2013年7月15日) *;『Kusikia si kuona』とは日本語で百聞は一見にしかずという意味です。タンザニアで私が実際に見て、感じたことをこのページで紹介していきたいと思います。 |