ダルエスサラームで、典型的なタンザニア料理を安く、清潔な場所で食べられるといえば、「ガーデン・ママ・シェリ」。シェリのお母さんの庭、という意味のこの店は、在タンザニアの日本人の間では、「リトル・シェラトン」と呼ばれています。誰もが知る高級ホテルシェラトンの名がつくほど、食事が美味だということなのです。タンザニアのどの家でも出してもらえるような、単なる家庭料理なのですが、なぜかどれをとってもとてもおいしい。タンザニア人にも大人気で、昼時には、近くのビジネスマンでごった返し、席を見つけるのも一苦労。今日は、そんなお店の料理をご紹介します。
タンザニアの代表的料理といえば、ウガリ。とうもろこしやキャッサバなどの粉をお湯で溶いて練り上げたもの。日本人にとってのご飯と同じように、タンザニア人にとっては、重要な主食です。
何も味はしないので、最初は「こんなまずいもの」と思うのですが、慣れてくるとやみつきになります。特に、うまく練り上げられたウガリは、もちもちしていて、のどをすーっととおっていきます。
ザンジバルなど地域によっては、あまりウガリを好まない人々もいますが、彼らの場合、ご飯、ピラウ、ビリヤニ(ともに香辛料で煮込んだご飯)などが主食になります。
グリーンピースをトマトベースのスープで煮込んだもの。味付けは塩だけですが、これがまたおいしい。スワヒリ語では、グリーンピースのことは、「ジェゲレ」といいます。
左から、牛肉のから揚げ(ニャマ)、野菜の炒め煮(ンボガ)、オクラの煮物(バミア)。ニャマは日本の牛肉のようにやわらかくありませんが、噛めば噛むほど味が出る、タンザニア牛。しっかりとお肉の味がします。ンボガは、キャベツ、にんじん、たまねぎなどを大目の油で炒めて、塩で味付けしたもの。バミアは、トマトやたまねぎ、にんじん、苦い味のするなすびの1種(スワヒリ語では、Nyanya chungu-苦いトマト、といいます)と一緒に煮込んだもので、栄養たっぶりです。
牛肉をトマトで煮込んだスープ。具がなく、スープだけです。おかずなしで、スープだけご飯にかけたものを好む人が多いので、これを用意しているのでしょう。時間をかけてことこと煮込んだスープは、本当においしい。
ショーケースに入っているのは、魚のからあげ。ダルエスは港町なので、海魚のチャングー(形は鯛に煮ていて、淡白で食べやすい)が揚げられることが多いですが、内陸の方では、湖の魚になったりします。今日は、下の段に鶏肉のから揚げ(クク)がなくて、ちょっと寂しいです。
今日のご飯は、500シリングのセット。日本円にして65円ぐらいです。これが一番安いセットで、ご飯の変わりにピラウにしたら600シリング、魚のから揚げや、鶏のからあげを乗せたりすると一気に1,000シリングに値上がりします。
以前は、500シリングでも気前良く盛ってくれたのに、最近は少ないなー。店が繁盛してきたからけちになってきたのかなー。
初めて行った時(今から約2年前)は、薄汚いお店だったのに、イスや机、バイキング台などちょっとずつ買い換えていって、今ではこんなにきれいになりました。ここのお店のすごいところは、経営がタンザニア人であるところ。大きなレストランのほとんどがインド人経営、もしくは外国人経営であるダルエスサラームのレストラン状況の中で、タンザニア人経営でこれほど繁盛しているところを私は他に知りません。従業員の人も、一生懸命働いているので、見ていてすがすがしいです。
これは、午後12時半の様子。タンザニアの人は1時過ぎから昼食を取るので、これからますます込み合います。
|