グビとアレックスの日本訪問記「日本の印象」Salum Ngubi(サルム・グビ) ![]() 私たちがバンコクから日本へ着いたのは4月27日朝でした。気候は暑くも寒くもなく快適でした。関西空港へは私たちの訪問を準備してくれた嶋さんが迎えに来てくれました。これは私たちにとって2回目の日本訪問ですが、(前回は成田でしたが)今回は新しく美しい関西空港でした。その晩は嶋さん一家、下垣さん、森田さんなどのATメンバーで、ホテルの近くのアフリカレストランで歓迎会を開いてもらいました。 翌日は京都へ行き、辻村さんが準備されたフェアトレードのセミナーに参加しました。(アレックスの報告を参照してください) その次の日は金沢へ行き、去年タンザニアに来た学生さんたちと会いました。中島さんも合流しました。皆と再会できて幸せでした。翌日は金沢城を案内してもらった後、金沢大学セミナールームでの授業に参加しました。辻村さんがフェアトレードの簡単な報告をした後、私たちはタンザニアの農村でのホームステイ・プログラムを紹介しました。 その日の夕方、ムゼー高橋の運転する車で福井へ行きました。ムゼー高橋のお宅では明るい奥さんや友人の方が待っていてくれ、奥さんの手料理を堪能しました。タンザニアの暮らしのことなどたくさんのことを話しました。翌日ムゼー高橋は北部の農村へ連れて行ってくれ、トマトや唐辛子を作っている農業技術にびっくりしました。 ムゼー高橋の車で滋賀県マキノ町へ。そこにはママ金(キム)が待っていました。マキノは涼しく、美しいビーチがあって私たちはエンジョイしました。ママキムのお話は一杯あったし、マキノでは忙しく私たちの面倒を見てくれました。郊外の果樹園を見たり、農村の風景を興味をもって眺めました。 5月3日、ママキムにエスコートされ名古屋に着きました。名古屋ではATメンバーが待っていて、トヨタの工場、博物館で、車の製造過程や豊田家の創業からの歴史を見学しました。夕方にはママ片桐の家へ行きました。片桐さんや息子さんが温かく歓迎してくれました。名古屋のATメンバーとも一緒になって、日本とタンザニアの生活スタイルやホームステイのことに関して意見を交換することが出来ました。それにしても片桐一家はとてもソーシャルです! 名古屋から新幹線に乗って大阪へ行き、下垣さんに連れられて、山田さんの家に泊まりました。5月5日は大阪でたくさんの人に会いました。千葉から出てきてくれたママ森と娘さんのはなさん、ママキム、森田さんそのほかです。講演会をしたのですが、テレビ大阪が取材に来ていて、ホームステイについて質問されました。講演会の後は、武庫川の川岸でクワヘリ・パーティーをしました。 最後の日は、山田さんに連れられてお土産を買いました。山田さんは日本語英語通訳マシンをプレゼントしてくれました。お昼はママキムたちと韓国料理を食べ、関西空港へ贈ってもらいました。 この旅で、日本の人たちは以前よりももっと強くアフリカ、特にタンザニアの村の生活様式を知りたいという興味を持ってきたと感じました。なぜなら今回は、村の生活様式に関する質問を以前より多く受けたからです。 「日本の友人へ」Alex Silaa(アレックス・シラー) ![]() 4月28日 10時30分に下垣さん、嶋さんとホテルをチェックアウトし、下垣さんと京都に向かいました。辻村さんと会い、昼食を摂りました。 14時アフリカのフェアトレードに関する集会に参加しました。辻村さんがコーヒーの調査とコーヒーの現在の市場の情勢について、簡単に報告しました。アメリカが生産者でもないのに、価格を決定している情勢を批判しました。国際市場でのコーヒー価格が下落している中でのルカニ農民の状況について概観した後、辻村さんは聴衆にこう語りました。 「日本の社会はキリマンジャロのコーヒーが大好きです。でも日本の一杯のコーヒーの値段と比較して、キリマンジャロの農民が直面している問題、特に彼らに支払われる生産者価格がいかに低いかを想像することはありません」 こうした理由から彼はロンドン市場から買うのではなく、KNCU(キリマンジャロ原住民協同組合)から直接コーヒーを買うことが、キリマンジャロのコーヒー小農を助けるために重要だと考えたのです。 辻村さんが紹介してくれた喫茶店経営者である天保さんと丸山さんは、キリマンジャロ・コーヒーを出し、その一杯のコーヒーにつき70円、ルカニ村の人々に寄付してくれます。天保さんと丸山さんは今回売上から$1,000ルカニ村図書館に寄付してくれました。私は辻村さんの報告にコメントし、また聴衆の質問に答えました。辻村、天保、丸山さんの、ルカニ村の人々を助けようとする努力に感謝します。(辻村さん以外の)お二人はルカニ村を訪ねたことないのにもかかわらず…。またコーヒーを国際コーヒー機構(ICO)から買う代わりに、KNCUという農民の共同体から直接買うという新たな(オルタナティブな)努力をされている日本の共同体に感謝いたします。 謝辞:私たちは日本に招いてくれた全てのATメンバーに感謝します。下垣さんと関西南部アフリカネットワークは、私たちの日本へのサファリを用意してくれました。マイチケットの山田さん、ありがとう。キム・キョンジャさんにはマキノ町で暖かい歓迎を受け、また空港まで送ってもらいました。嶋さんとご家族には家に呼んでいただきました。片桐夫妻とその家族、浅井さん、島田さん、中島さん、キウィアさん、ママ森、高橋さん、金沢大学の辻村さんの学生さん…。 この旅は、私たちが同じ家族のメンバーであることを感じさせてくれました。私たちは皆さんとの友情を誇りに思っています。この友情が長続きしますように…。 個人的な謝辞:私の個人的な心からの感謝を、辻村さん、天保さん、丸山さんに、LUDEAを代表して捧げます。私たちルカニ村の小農を助けるためにこれほどの努力がなされているとは思ってもいませんでした。京都でのアフリカ・フェア・トレードに関する辻村さんにひどく感銘しました。コーヒー小農を犠牲にしている不公正なコーヒー価格体制を国際社会に告発している彼の努力を本当に評価します。もしその報告がタンザニアへ送られ、ルカニ村の人々が、村人の考えを伝えようとするあなたの努力を、村人たちが知るようになればもっといいと思います。LUDEAに寄せられた$1,000の寄付は、ルカニ村の図書館の施設改善のために適正に使い、会計報告をすることをLUDEAのリーダーを代表してお約束します。 再び、本当にどうもありがとう。 グビとアレックスの2名は2002年4月25日~5月7日の間、日本へ招待していただきました。招聘元は関西南部アフリカ・ネットワークで、2名の往復航空券を負担していただきました。実際にはネットワークが呼びかけて毎夏行われてきた6回のAT(オルタナティブツアー・タンザニア)の参加者の方々が実行委員会を作り、各地(大阪、京都、金沢、福井、名古屋など)と連絡し、それぞれの受け入れを担当し、交通費もカンパで賄っていただきました。 前回は1989年、彼らはやはりATの参加者の招待で日本へ行っています。その時は彼らにとって初めての海外旅行で、弥次喜多道中で、見るもの聞くものが珍しく、最後はひどく疲れて帰ってきた記憶があります。今回は2回目ですし、夏のATとルカニ村のコーヒーの宣伝という目的を持っていきましたので、余裕を持って帰ってきました。 彼らの滞在中に細々と気を配っていただいた方々には厚く御礼申し上げます。今回の旅がまたタンザニアと日本の間の更なる人間交流の発展につながればと思っております。 なお2名は別個に報告書を出しましたが、重複する部分は翻訳者の方で編集しましたので、原文とは多少異なっていることをお断りしておきます。日程・行動記録はグビの報告書に代表してもらい、アレックスの感想も取り込みました。 (根本利通) |