6月の初め、タンザニアの北東キリマンジャロ州の村、そしてジャタツアーズのスタッフ、アレックスの故郷でもあるルカニ村に行った。途中、舗装道路から赤土と草木の緑がコントラストをなしている道に入ってしばらく走ったところにルカニ村はあった。ダルエスサラームに比べるとはるかに涼しく、吹く風の冷たさに驚いた。
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ルカニ村に到着し、まず私たちを迎えてくれたのは、元気のよい子供たちだった。彼らは私の荷物を小さい腕で一生懸命運んでくれた。
村の子供はとにかく元気で、毎日学校から戻ると暗くなるまでずっと遊んだり、歌ったりしていた。日本のハンカチ落としや、はないちもんめに似た遊びを一緒にやった。タンザニアらしい一人ずつ踊りを披露していく遊びもあり、タンザニア人の踊りの上手さはこのように幼い頃から養われているものだと実感した。
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ルカニ村での生活はひたすら歩いた。どこに行くにも歩く。村での移動手段はもっぱら徒歩である。マーケットに行く時も、村の人たちは自分の売り物を頭にのせて、あるいは品物だけを車にのせて、自分たちは歩いて市場までいくのだ。子供たちも学校までの長い道のりを歩く。タンザニアの小学校は7時から始まるので、子供たちは朝6時頃から登校し始める。しかし、自然多いからか、車が少ないからか、ルカニ村の空気はとても澄んでいて気持ちがよく「歩く」ということが全く苦にならない。美しいキリマンジャロ山、目にあまるほどの自然、またすれ違う人々との何気ない会話を楽しみながら歩くのだ。すれ違う人全てと挨拶を交わし、中には家まで招待してくれる人までいた。ただ「歩く」ことで、村や村人を知り、多くのものを得られた。
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村人の多くが農業と牧畜で生活を営んでおり、畑ではバナナ、コーヒー、とうもろこしなどを作っていた。日本ではコーヒーの木など見たことがなかった私は、コーヒーが出来上がるまでの工程を今回初めて知った。まず実を摘み、皮を剥いて、きれいに洗う。そしてそれを乾燥させる、それからやっと焙煎できるようになる。コーヒーは私が思っていた
よりもずっと、私たちが口にするまでに、長い時間と手間がかかっていた。
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夜は、星空を見上げながら、しばしお喋り。何とも贅沢な時間である。音といえば、草木が風でざわめく音と動物の鳴き声だけである。同じ地球上にいながら別の場所では、夜でも大都市の喧騒があり、一方ではゆっくりとした時間が流れていることに、何ともいえぬ不思議な気分になった。
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ルカニ村は、JATAツアーズのオルタナティブツアーの受け入れ村の一つでもあります。皆さんも是非機会があれば、この村を訪れてみてください。
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(2005年7月)
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