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Bwaga Moyo No.5![]() 川田 真弓(かわた まゆみ) ザンジバル国際音楽祭、Sauti za Busara
今年は、2008年に参加した親指イリンバ奏者「サカキマンゴー」に引き続き、「Fresh Jumbe & Afriacn Express」というタンザニア出身で日本で活躍しているFresh Jumbe Mkuuというミュージシャンと日本の混成バンドが参加した。日本人の参加は今年で2回目である。メイン会場は、オールドフォートで毎日午後から演奏が始まり、深夜まで続く。野外コンサートなのでお祭り気分で大変盛り上がるこの音楽祭にタンザニアはもちろん他の国からも多くの人々がやってくる。
私も2007年にこの音楽祭に初めて参加し、今年で2回目である。心をときめかすようなアーティストに出会えることを楽しみに全日参加した。体調が良くなかったため芝生の上で爆睡してしまい、一部見逃してしまったアーティストもいるが、印象に残ったグループ(アーティスト)を5組紹介する。 ①Bi Kidude(ビ・キドゥデ) ザンジバルの歌姫、ビ・キドゥデ。彼女なしてはザンジバルを語れないというほど有名なターラブの歌い手。来日公演の経験もある。3日目の女性だけのターラブ・グループ「Tausi Women’s」で出演するとの噂があったが、まさかの初日に登場。「Ikwani Safaa Musical Club ft Tamalyn Dallal」というザンジバルとアメリカの混成バンドの特別ゲストとして出演した。紫色の衣装に身を包み、力強い歌声で観客を魅了した。
タンザニア出身で日本で活躍しているFresh Jumbe Mkuuというミュージシャンと日本の混成バンド。日本人の代表は伊藤宏子さん。バガモヨの芸術大学(当時Chuo Cha Sanaa/現在Taasis ya Sanaa na Utamaduniに改名)に正規留学し、タンザニアの人間宝庫ともいえる音楽家、故フクウェ・ザウォセ氏の元でも修業された方だ。日本では「ハクナターブ」というグループで活躍中。1日目のフィナーレを飾り、タンザニア人を始め、欧米人、日本人が皆一緒になって歌い踊り大変盛り上がった。衣装や表情の作り方にもこだわりがあり、音楽や踊りだけでなく力強いパフォーマンスが好評だった。 ③Mari Bonie(マリ・ボニエ) ノルウェ-のボーカル、マリ・ボニエ。彼女が歌った瞬間、下半身から上半身にかけてゾワゾワっと鳥肌が立った。人間の声とは思えないような美声の持ち主である。 歌詞の意味は聞き取れなかったが彼女の天使のような声と演奏が創り出す世界観は独特で惹きつけられずにはいられなかった。 ④Sosolya Dance Academy(ソソロヤ・ダンス・アカデミー) ウガンダの伝統音楽グループ。ステージの上に出てきた瞬間から思わず彼らの迫力 に圧倒された。煌びやかな衣装と大人数でのパフォーマンス。皆自由に踊っている ようだが全員の動きがぴったり合っていて見ていて気持ちが良い。小さい子どもも1 人踊っていたが、他の大人と競えるほど機敏な動きである。最後の曲は頭の上にい くつもお皿のようなものを乗せて踊るパフォーマンスも素晴らしかった。 ⑤CHIBITE(チビテ)のメンバー、Julius(ジュリアス)& Msafiri(ムサフィリ)
Sauti za Busaraの詳細は以下のホームページをどうぞ。 http://www.busaramusic.org/callforartists/index.php http://www.busaramusic.org(You Tube) 今年の感想は、地元のザンジバルやタンザニアにあまりビビッとくるアーティストがいなかったのが残念だったというのが正直な気持ちだ。良いなと感じたアーティストは他のアフリカ諸国やヨーロッパばかり。タンザニアのアーティストの音楽的才能はすごいと思うが、ステージでの見せ方、パフォーマンス力に欠ける。現代音楽を聞くのならCDで十分。伝統音楽に触れるのであれば現地に出向く方が良い。しかし、わざわざ会場に足を運んで見に来る観客は、会場の雰囲気や、アーティストの衣装や踊り、表情など視覚を満足させるパフォーマンスも期待している。元々の音楽的才能にパフォーマンス力が伴えばもっとタンザニアの音楽は活性化されると私は思う。今後に期待したい。心をときめかすアーティストに出会えることを楽しみに来年も是非参加したい。 (2010年3月15日) *「Bwaga Moyo」とは、スワヒリ語で「ここに我が思いを残す」という意味です。 2005年に初めてタンザニアを訪れてからずっとこの地に思いを残してきました。 なぜこんなにも惹かれるのか… その理由を少しずつ紹介したいと思います。 |