3月に約2年間の任期を終了し、JATA Toursを去る私は、今回のものが最後のコラムになってしまう。最後と意識するだけで、なんだか素晴らしい文章を書かなければいけないような気がして変なプレッシャーを感じているが、できるだけいつも通りに書きたいなと思っている。
しかし何を書いたらいいのか…。やっぱり最後はタンザニアのおもしろい部分を書き残したい。この2年間で新しいスワヒリ語のスラング(俗語)を覚えたので、それを紹介するのもいいかな、と思った。例えば、namba(ナンバ)という単語がある。これは数字を示すnambaliという単語をみんな省略し、電話番号やある数字を示すときに使っている。このナンバ、実は他の使い方もある。もしある人が他の誰もが知っているようなことをしらなかった場合、ある人が何かを間違えた場合、ふざけた冗談を言った場合、その人、「おいおい、ナンバかよ」と呼ばれてしまう。ナンバは数字のゼロから始まる、ゼロ⇒何もない⇒頭の中に何もないおバカさん☆という意味で使っているのだ。もちろんこれも冗談だが、すごくおもしろくないですか?このような単語の使い方。な~んて、言葉にあまり興味のない方にはそれほどおもしろくないかもしれないので、言葉の話はこれくらいにしておこう。
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今回はこの2年間でお気に入りの写真を。涙が出るほど美しいキリマンジャ
ロ山」。
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タンザニアのビール事情はいかがでしょう。みんなビールが大好き。週末となれば(平日でも!?)老若男女問わず昼間からバーに行ってビールを飲んでいる。タンザニアに来られたことがある方、タンザニアのことを少しでもご存知の方にはいまさら何を言っているの?と言われそうだが、こちらの人はぬるい、冷やしていないビールを好む人がいる。ぬるいビール。ビールを飲まない私にもあまりおいしくなさそうな印象。でも好きな人はこれが大好き。生ぬるいビールしか飲まないという人もたくさんいるのだ。そういえば初めてタンザニアに来た時は、冷やしていないビールや炭酸飲料を飲んでいる人を見てずいぶん驚いたことを思い出した。今となっては、気分によってぬるい炭酸飲料を飲むようにまでなってしまったなぁ。いつもぬるいビールを飲んでいる人が冷たいビールを飲んでみたらそのせいでお腹がずっと痛いと言っている人もいた。いやいや、冷たい水とか飲んでるんだからビールのせいではないんじゃないの?と言っても、いや、この腹痛は普段は飲まない冷たいビールがいけなかったんだ、と聞かなかった。
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 三頭のライオン。兄弟かな?ミクミにて
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このように時々思い込みの激しさを見せるタンザニア人。最近大爆笑してしまった話がある。それは『フィリピン人は膝から下が異常に短い』という説。日本人やら中国人やら韓国人の区別が難しいという話(この話は何度となく繰り返される)をしていた時に出てきた説。ある人が、「フィリピン人の区別は簡単。足の付け根から膝までが長く、膝下が異常に短い。それがフィリピン人!」と言い切ったのだ。これを聞いた時には大爆笑してしまった。ほんと――!?と思うと同時に、よくそんなとこまで見てるなぁと感心していたら笑えてきた。その意見に賛同する人もいて、その日、東洋人の中でフィリピン人の区別の仕方は“膝下が異常に短いこと”と決定された…。
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 忘れられないザンジバルの夕日。
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すぐにパッと思いつかないが、このようなおもしろい話がタンザニアにはたっくさんある。相手がどこの国の人でも同じことが言えるが、たくさんの人とたくさん話せば話すほど、いろいろおもしろい話に出会うことができる。人と人との交流のおもしろさ、大切さをタンザニアで改めて学んだ気がする。タンザニアで2年間もの間生活できて本当によかったと思う。ただ、ひとつだけ納得できないことが…。みんな、泣くことがあまり好きではない。喜怒哀楽、なにがあっても泣いてしまうような私は、泣くたびに優しいお叱りを受けている。泣くのは子供だけだよ、なんて言われながら。こちらが泣きたいときには好きに泣かせて欲しい、勝手に泣いてるから放っておいて欲しいのに、それも許されないらしい…。これがなかなか厳しいのだ。そんなことを言われたら、帰国の日はどうしましょ!?最後の最後までみんなに叱られ笑われながら、タンザニアを発つことになるのだろうか…。
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 お・ま・け
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