ダルエスサラーム便り |
Habari kutoka Kingolwira*Habari kutoka Lukani*歴代スタッフのHabariの本棚 |
Shwari No.7石原 裕介(いしはら ゆうすけ) Mwaburugu Village ~ムワブルグ村(ムワンザ州)~![]() 近年、エコツアーやコミュニティーツアーといった新しい形の旅行形態が世界中に広がりを見せ、人気を集めていますが、ここ、ムワブルグでも、村人数名が立ち上がり、自分たちの文化や伝統、自然を観光客に紹介していこうという取り組みを始めています。セレンゲティの西側ゲートから13Kmととても近いことから、年間400~500人の観光客が訪れているといわれています。(主催者情報) 村に到着すると、さっそく彼らの手作りの観光案内所へ導かれます。そこには受け付けの小屋の他、村の人が観光客にオリエンテーションするための小屋も建っており、すべての観光客は村人からそこで事前に村や湖についての説明を受けます。私はその村に2日間滞在し、いくつかのプログラムに参加してきました。 ![]() 小屋で説明を受け、救命胴衣を着ると、さっそく漁に出発です。手漕ぎボートで漁場までのんびり進むと、男たちは網を湖に投げ、円を描くように船を動かします。そして両端から網を引っ張りあげると、小魚が無数に網にかかっているのです。確かに観光客向けの体験であって、本当の漁ではないのですが、それでも「漁」というものを見たことのない私にとっては、とても新鮮で、めったにすることのできない体験でした。遠くでは漁師達が大声で歌を歌いながら、本物の漁をしていました。 また、湖では魚を捕らえるための伝統的な罠も見ることができます。一見すると木の柵が立ててあるだけですが、ガイドが罠に手を突っ込み、引き抜くと、その手には大きなテラピアが握られていました。この他にも、釣竿を使っての釣りを楽しむこともできます。 ![]() ウィッチドクター(呪術医)と言うと、なんとも不気味な感じもしますが、村では大事な役割を果たすお医者さんです。そのウィッチドクター宅を訪問し、お話を聞くことができます。私はガイドに勧められ、問診してもらいました。 まずは木でできた小さな棒につばを吹きかけることからはじめます。その木を先生の前にあるかごに置くと、お医者さんは何かの薬を混ぜ合わせ、太鼓をたたきながら歌を歌い始めます。すると、その薬からたちまち煙が上がり始めるのです。それが終わると、お医者さんが私の体の悪いところを指摘し、また将来までをも占ってくれます。ちょっとびっくりしましたが、とても不思議で、かつ貴重な体験をすることができました。 ![]() ムワブルグは小さな町なので、歩いて簡単に1周することができます。時には子供たちと遊びながら、村の生活や暮らしぶりをガイドが紹介してくれます。毎朝湖畔では魚市場が開かれるので、それを見に行くのも楽しかったです。漁から男たちが帰ってくると、仲買人である女性たちがそれを買い取り、その場で魚の選別をし、村人に販売します。希望すれば、その選別作業の手伝いもさせてもらうことができます。また、おいしそうな魚が見つかれば、ガイドが買い取って、お昼の食材に使ってくれます。 セレンゲティやンゴロンゴロでのサファリも素晴らしいものですが、時間に余裕があれば、一度訪れて、タンザニアの漁村の暮らしを垣間見てみるのもいいのではないでしょうか。 <料金>
(2010年2月15日) *「Shwari」 私の大好きなこの言葉は、スワヒリ語で「平穏」を意味し、タンザニアでは挨拶でも用いられるほど頻繁に使われます。このコーナーでは、そんな穏やかでのんびりしたタンザニアの様子を、みなさんにお届けしていきたいと思います |